お孫さんたちにだろうか。店の陳列棚に並んだかわいく、さまざまなポチ袋を女性3人が替え歌交じりで楽しげに選んでいた。「♪もういくつ寝ると~お年玉」◆迎春準備。しめ縄やミニ門松づくり、餅つきなど親子で体験する行事が各地で開かれる。正月飾りを一から準備する家庭は少なかろう。民俗学を持ちだし「家に年神様を迎える」は「?」になる。ただ、だれしも思い新たに、一年の安寧を願う機会は大切にしたい◆さぁ、子どもたちにはワクワクのお年玉。渡す金額の調査結果がそろそろ出る。1年前の傾向は「1人当たりの金額を減らしてやりくり」。物価高騰は続き、今回も同様かもしれない。かつては金銭ではなく、年神様に供えた鏡餅を分け与えていたという「年魂(としだま)」。うんちくを語り、減額分を補うわけにもいかない◆歳末だと「餅代」があり、こちらは「かつて」といっていいものか。昨年は廃止、見送られたようだが、自民党派閥で所属議員に配られる活動資金である。政治改革関連3法が成立した臨時国会。設置する政治資金監視委の制度設計など課題が残り、議論は来年に持ち越された。チェック機能はどれだけ強化されるか◆多寡はともかく金品はうれしい。それ以上に心遣いをありがたく思うことわざに〈搗(つ)いた餅より心持ち〉がある。自省も込め、かみしめなければ。(松)
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