高校の魅力づくりなどについて意見交換したパネル討論=佐賀市のメートプラザ佐賀

 学校の魅力や強みを磨き上げる佐賀県立高校の「唯一無二の誇り高き学校づくりプロジェクト」を推進するフォーラム(県教育委員会主催)が23日、佐賀市のメートプラザ佐賀で開かれた。高校と地域が連携を深めながら取り組む重要性を確認した。

 島根県の一般社団法人「地域・教育魅力化プラットフォーム」の岩本悠代表理事が講演した。存続の危機にあった同県の隠岐島前高校を、全国からの生徒の受け入れやデジタル技術を活用した探究学習などを通じて立て直したことを紹介。有名大学への進学や起業家の輩出につなげ、県内外からの進学者を飛躍的に増やした成果も説明した。

 「生徒たちは地域の困りごとに挑むが、3年間では解決できない。『今は(知識が)足りないから、学び成長するしかない』という強い動機につながる」としつつ、「まずは高校と地域の目的意識の共有が大事。地域に予算や人的資源などを出してもらう協働を目指してほしい」と助言した。

 県内の高校と関わる学校運営協議会委員らによるパネル討論や、魅力化に取り組んでいる17校の関係者による分科会もあった。佐賀県立高校は2021年度から同プロジェクトに取り組んでいる。(大田浩司)