162回目「ヒイラギ」

 トゲのある葉と赤い実のついたクリスマスの飾りによく使われるヒイラギは、モクセイ科のセイヨウヒイラギです。日本で11、12月ごろにキンモクセイに似た良い香りのする白い花を咲かせるのはモチノキ科のヒイラギで、二つは別の種類です。

 セイヨウヒイラギは4、5月ごろに花が咲き、赤い実をつけ、日本のヒイラギは冬に咲き、5~7月ごろに黒紫色の実をつけます。

 節分には焼いたイワシの頭をヒイラギの小枝に刺し玄関に飾る風習があります。これは鬼の目を刺すヒイラギの葉のトゲと、イワシを焼いた臭いやけむりを鬼が嫌うためといわれており、邪気が家に入ってこないよう魔よけの意味が込められています。

 トゲのある葉は老木になると楕円(だえん)形の葉になりますが、マルバヒイラギというトゲのない品種もあります。(中冨記念くすり博物館)