11月末、オーストラリア議会で16歳未満のSNS利用を禁止する法案が可決されました。

 ただ、この法案は子どもや保護者に直接、利用を制限するものではありません。SNSを運営する事業者に対し、16歳未満の子どもの利用を防ぐ合理的な措置を講じることを義務付ける内容です。違反した場合には事業者に罰則が科される仕組みとなっています。

 対象となる事業者は、利用者数の多い主要なSNSのようなので、一定の抑止効果は期待できるものの、実際には秘匿性が高い他のメッセージアプリを利用した個別のやり取りが、依然として社会問題となっています。

 また、年齢制限の実効性については課題が残ります。公的な証明書の提出を求めない限り、正確な年齢確認が難しく、虚偽の申告が行われる可能性が指摘されています。

 それでも、この法案が示すような厳しい法的措置は、子どもたちのSNS利用に伴う危険性を社会全体で再認識するきっかけとなることは間違いありません。