佐賀県は、生理など女性特有の健康に関する課題に対応する「フェムケア」に関し、県内で女性が働きやすい職場づくりにつなげようと、啓発イベントを来年2月にも開く。先進的な企業の取り組み事例の紹介や生理痛を疑似体験するワークショップなどを予定し、開催費400万円を一般会計補正予算案に計上した。

 初めて開く「フェムケアSAGA」は、福利厚生などで先進的に取り組む企業のパネル討論、電気を流す装置で生理痛を体験するワークショップ、ケア商品などのブース出展を予定。来年2月の開催を計画し、企業の経営者や管理職を中心に参加を呼びかける。

 4日の11月定例県議会一般質問で、一ノ瀬裕子議員(自民)の質問に山口祥義知事が答弁。「女性が働きたいと思う職場づくりを官民挙げて取り組むことは、きわめて、きわめて大切。多くの共感にあふれ、互いを思いやる社会や職場づくりにつなげることができればいい」と述べた。

 山口知事は生理痛の疑似体験に関する記事を目にしたのをきっかけに、女性職員と意見交換したという。「生理痛のつらさを上司へ言いにくいこと、男性職員も生理痛で仕事に支障が出ているとは知らなかったなどと議論し、男女の意識にギャップがあると分かった。一人で悩む女性がいるから、少しでもみんなの共感へと結びついていけば」とイベントの狙いを話した。(横田千晶)