スポーツビジネスの創出

SAGA2024国スポ・全障スポは県民の興奮と歓喜を呼び込んだ。国スポ“はじまりの地”としてさまざまな挑戦が行われ、選手も観客も一緒に楽しめる開閉会式、実況・解説付きの動画配信やナイトゲーム、選手の活躍に注目した表彰制度や伴走者等へのメダル授与などさまざまなアイデアが盛り込まれ、佐賀はもちろん、日本のスポーツの将来への新たな道を開拓した。会場の一つとなった佐賀市のSAGAアリーナは、「稼げるアリーナ」としてスポーツ以外のさまざまなシーンでの活用を次々と実現している。SAGAスポーツピラミッド(SSP)構想を進める県にとって、SAGA2024は大きな跳躍点と位置付ける。
スポーツで稼ぎ、アスリートに還元 多方面でビジネスの可能性探る
SSP構想は昨年、基本方針を改訂し、スポーツ文化拡大の視点として、従来の「する」「育てる」「観る」「支える」に「稼ぐ」を加えた。SSP構想の取り組みにより整えられたハード・ソフト両面にわたる「スポーツ資源」などを活用して新たなビジネスを創出し、その収益などをアスリートに還元するシステムを構築する。

海外では、いろいろな産業がスポーツ資源をビジネスに活用し、稼ぐ社会が一般的だが、日本ではスポーツ=体育の概念が強く、スポーツビジネスへの馴染みが薄い。そこで、県では、伴走支援や補助制度により、県のスポーツ資源と他産業を組み合わせるなどして、今までにない新しいサービスを生み出す意欲のある企業を支援し、日本では馴染みの薄いスポーツビジネスについて、ロールモデルとなる企業を創出する事業を展開している。行政がスポーツビジネス創出に本腰を入れて取り組むのは珍しく、先駆的な試みとなる。

スポーツ資源の活用としては、SAGAアリーナは多方面でビジネス展開するのにあつらえ向きだと言える。国スポではプレミアムラウンジなどを活用し、史上初めて、スポーツホスピタリティを開催。参加者は名刺交換やビジネスの話をしながら楽しく飲食したり、試合を観戦したりしながら、思い思いの時間を過ごした。12月14、15日には「全国都道府県対抗eスポーツ選手権2024SAGA」が開催され、「パズドラ」「ぷよぷよeスポーツ」「eFootball™」「Identity 第五人格」の4部門に全国各地の予選を勝ち抜いた各都道府県代表選手が熱いバトルを展開する(観戦無料)。
SAGAスポーツピラミッド推進グループは「スポーツビジネスは県民にとって遠い存在ではない。スポーツそのものだけではなく、健康やエンタメ、観光など、生活に身近なあらゆる方面で可能性が広がっていく。県はスポーツで「稼ぐ」という視点を持ち、世界標準の新たなスポーツ文化を定着させるべく挑戦していることをぜひ知ってほしい」と話す。