SSP構想

SAGA2024国スポ・全障スポは県民の興奮と歓喜を呼び込んだ。国スポ“はじまりの地”としてさまざまな挑戦が行われ、選手も観客も一緒に楽しめる開閉会式、実況・解説付きの動画配信やナイトゲーム、選手の活躍に注目した表彰制度や伴走者等へのメダル授与などさまざまなアイデアが盛り込まれ、佐賀はもちろん、日本のスポーツの将来への新たな道を開拓した。会場の一つとなった佐賀市のSAGAアリーナは、「稼げるアリーナ」としてスポーツ以外のさまざまなシーンでの活用を次々と実現している。SAGAスポーツピラミッド(SSP)構想を進める県にとって、SAGA2024は大きな跳躍点と位置付ける。
SAGA2024は通過点 スポーツの力で社会課題解決
トップアスリートの発掘・育成や、スポーツ文化の裾野拡大を目指し2018年度から取り組んできた「SAGAスポーツピラミッド(SSP)構想」。スポーツの素晴らしさを実感し、大きな感動の渦に包まれたSAGA2024国スポ・全障スポの大会は成功裏に終わった。県は「SAGA2024はあくまで通過点」と位置付ける。
SSP構想は、アスリートの育成やスポーツ環境の充実などの諸施策を競技団体や民間企業などと連携しながら進めてきた。SAGA2024を短期目標の一つに掲げて注力してきたのは間違いないが、さらに中長期的な視点に立ち、スポーツを「する」「育てる」「観る」「支える」に「稼ぐ」視点も加えて、世界標準のスポーツ文化の実現を目指す。

国スポに合わせて整備されたスポーツ関連施設は、SAGAアリーナや九州クライミングベースSAGAなど、計画段階から2024年の先を見据えて建設された施設も少なくない。世界のトップが集う国際大会の誘致や、スポーツ以外の用途も含め最大限に活かしていく。
国スポをきっかけに佐賀で新たなアスリート人生を歩み始めた選手たちには今後も佐賀に残り、自らの競技だけでなく、子どもたちへの指導にも関わってもらうよう、今後も就職支援やセカンドキャリア支援に力を入れる。既に自発的にスポーツ教室を開講する選手も現れており、アスリート側にもこうした意識が定着しつつある。
SAGAスポーツピラミッド推進グループは「SSP構想はスポーツそのものの振興策のみならず、スポーツのチカラを活用して人づくりや地域づくり、社会課題の解決に結びつけるものと捉えている」と強調。目指すべき将来像として「アスリートがスポーツで食べていける社会」「スポーツを活かしたビジネスシーンが広がる社会」を打ち出す。