修復した額縁の前で金継ぎをした器を手にする武藤良平さん

 佐賀市の武藤良平さん(76)は、欠けたり割れたりした陶磁器を繕う「金継ぎ」を、佐賀新聞文化センターで教えている。やさしく分かりやすく、修復に満足してもらえるように指導している。

 父親は佐賀県の洋画壇で活躍した武藤辰平さん(1894~1965年)。20年ほど前、辰平さんが画家のルドンを模写した絵の金色の額縁が欠けていたため、修復したことをきっかけに独学で金継ぎを学んだ。それ以来、趣味として続けてきた。

 教室には、思い出の陶磁器や、割れたり、欠けたり、ひびが入った愛用の器などが持ち込まれる。漆の代わりに強力接着剤や紙やすりなど使い、仕上げには、金や銀を器によって塗り分けている。

 武藤さんは「金継ぎでアレンジした器は、見た目も変わる。大事に使ってもらえるとうれしいです」と話す。

(地域リポーター・上原和恵=佐賀市)