秋が深まる頃、掌形(しょうけい)の葉が赤く色づくカエデはカエデ科カエデ属の落葉高木で、温帯地域を中心に約150種類あるとされています。同じように紅葉する植物にモミジがありますが、植物分類上は同じものとみなされます。
そのカエデの仲間で、北米原産のサトウカエデは樹高20~30メートル、幹の直径90センチにもなる大きな木です。この樹液を加熱、濃縮したものが甘味料のメープルシロップでミネラルやビタミン、ポリフェノールを含む食品として人気があります。
北米先住民は古くからこの樹液の甘さを知っており利用してきました。そして16世紀に訪れたフランスの探検家がそれを知ると、以降の入植者たちもメープルシロップを作り始めます。やがてこれはカナダを代表する製品となり、1965年にはサトウカエデが国旗に描かれました。(中冨記念くすり博物館)