開基1200年を記念して9日から開かれる宝物展=多久市多久町の専称寺ギャラリー三蔵堂

平安時代に造られた阿弥陀如来座像

 多久市多久町の専称寺の開基1200年を記念した宝物展が9日から、同寺のギャラリー三蔵堂で開かれる。寺が所蔵する仏像や仏画、書などを一堂に展示し、平安時代から続く名刹(めいさつ)の歴史をたどる。17日まで。入場無料。

 阿弥陀如来座像(像高64・5センチ)は、頭体の大部分をカヤとみられる針葉樹の一材から彫り出し、脚部をはぎ寄せる一木造りで、10~11世紀の制作とされる。涅槃(ねはん)図(縦199センチ×横154センチ)は江戸時代の作品で、冥土で死者の罪業を裁く十人の王を題材にした「十王図」は、多久聖廟(せいびょう)の天井図を描いた御厨夏園(かえん)の弟子・江口栄春が手がけている。

 戦国時代の武将少弐政資(しょうに・まさすけ)の位牌(いはい)や、佐賀藩多久領出身の儒学者・草場佩川(はいせん)、幕末・明治の政治家で能筆家としても知られる山岡鉄舟の書も展示している。

 専称寺は9世紀初頭に創建され、12世紀末に現在の場所に移ったと伝わる。大規模な宝物展の開催は、ギャラリーが造られて以来、35年ぶりという。川副春海住職は「1200年の歴史を見てもられば」と話す。

 午前9時~午後5時。会場では記念の図録(1500円)を販売している。問い合わせは専称寺、電話0952(75)2440。(古川浩司)