ダート競馬の祭典「JBC」(ジャパンブリーディングファームズカップ)が4日、鳥栖市の佐賀競馬場で初めて開催された。全国から競馬ファン1万2386人が詰めかけ、1レースごとに大きな拍手と歓声がわき起こった。重賞レース「JBCクラシック」で鳥栖市出身の川田将雅騎手が騎乗したウィルソンテソーロ(JRA所属)が優勝し、ファンの祝福を受けた。
近隣駐車場は満車でシャトルバスを走らせ、練り物やウインナーを焼いて出す売店は20~30人が並んで「いつもと比較にならない忙しさ」(担当者)に追われた。1日で約55億9100万円の馬券を売り上げ、これまでの最高額だった約20億900万円(今年2月12日)の2・8倍に達した。
JBC競走は佐賀で3レース、門別(北海道)で1レースを開催。佐賀で行ったJBCレディスクラシックはアンモシエラ(JRA・横山武史騎手)、JBCスプリントはタガノビューティー(JRA・石橋脩騎手)が制した。
JBCクラシックの優勝インタビューは、会場を埋めたファンが大きな拍手で川田騎手を迎えた。川田騎手は「この小さい佐賀競馬で生まれ育ち、いろんな所でレースしているが、地元で勝つというのはこれほど感極まるものかと、本当にうれしく思う」と涙ながらに勝利を喜んだ。
佐賀競馬は近年、インターネットによる馬券販売が好調で厩舎(きゅうしゃ)の建て替えも進み、「JBCを受け入れる態勢が整った」として開催地に立候補した。東京都から訪れ、tackmanのハンドルネームで競馬情報を発信している松本拓真さんは「出店も多くて縁日のような盛り上がり。一般レースでも自然に拍手が起こるのは初めて見た」と話していた。(樋渡光憲)