前日から降り続いた大雨の影響で冠水したバルーンフェスタ会場の嘉瀬川河川敷=2日午前、佐賀市

 大雨の予報を受け、大会期間中のイベントや出店を中止していた「佐賀インターナショナルバルーンフェスタ」の主会場、嘉瀬川河川敷(佐賀市)は2日早朝、川からあふれ出した水で冠水した。強風で倒壊したテントもあり、来場者用駐車場は車両の出し入れが不可能なほどぬかるんだ。

 3日の佐賀市は晴れる見込みだが、大会の組織委員会は強風の影響を考慮し、3日午前の競技を中止すると発表。3日午後と4日午前の競技は天候の状況を見極め、「会場外」で実施できるかを判断する。

 佐賀地方気象台によると、佐賀市では午前3時38分までの1時間の雨量が、11月の観測史上最大となる58ミリを観測した。流された物がないかなど現場の状況を確認するため、早朝から現地を訪れていた市観光振興課によると、川が増水し、午前6時ごろには会場一帯が冠水したという。

 同課の溝上徹也課長は「楽しみにされている人たちの顔が思い浮かび、中止の決定は心苦しかったが、そのまま継続していたら、被害が広がったと思う」と会場を見つめた。

 イベントや出店を最終日まで中止した判断には、市民や観光客から落胆が広がっていた。2日、冠水した会場の状況がインターネットで拡散されると、交流サイト(SNS)では「続けていたらもっと被害が出たはず」「運営側の判断は正しかった。冠水しなくても」など中止の判断を支持する書き込みが相次いだ。

 組織委によると、3日は午後2時40分をめどに競技実施の可否をウェブサイトで発表する。4日は午前6時10分ごろに実施の可否を判断。選手らの希望を受け、予定に加えた「フリーフライト」は午後2時40分ごろに実施の可否を発表する予定という。(川﨑久美子、山田宏一郎)