第78回瀧廉太郎記念全日本高校声楽コンクールで歌う向優華さん=竹田市総合文化ホール(竹田市提供)

第78回瀧廉太郎記念全日本高校声楽コンクールの賞状を手にする向優華さん=佐賀市の佐賀女子高

 大分県竹田市で少年時代を過ごした作曲家・瀧廉太郎(1879~1903年)を顕彰する「瀧廉太郎記念全日本高校声楽コンクール」(同市など主催)で、佐賀女子高音楽コース2年の向(むこう)優華さんが1位に輝いた。伸びやかな歌声を響かせ、78回目を迎えた歴史あるコンクールで佐賀県勢として22年ぶりに頂点に立った。

 18~20日に同市で開かれたコンクールには都道府県代表の32人が出場し、予選を勝ち抜いた10人が本選に進んだ。向さんは課題曲に瀧の代表曲「荒城の月」を選び、一つ一つの言葉を大事しながらメロディーに乗せた。自由曲のイタリア歌曲「ストラーナ」では、恋に破れた女性の物語を伸び伸びと歌い上げた。1位にはウィーン留学助成金として60万円が贈られる。

 向さんは「緊張したけど、多くの人が聴きに来てもてなしてくれて、町の人の温かさを感じるコンクールだった」と喜んだ。

 向さんは音楽を学ぼうと、熊本県山鹿市から同校に進学した。「先生の指導をしっかり吸収して、将来は自分で研究を深め曲を理解して、感動させられる歌を歌うのが目標」と抱負を語った。(花木芙美)