『さみしい夜にはペンを持て』古賀史健、ならの/ポプラ社

 タコの少年・タコジローは、中学校でいじめられる日々。偶然出会ったヤドカリのおじさんに悩みを打ち明ける。そこで提案されたのが、日記を書くことだった。

 思春期まっただ中の少年を書いた小説、文章執筆の指南書、児童書、自己啓発本…。この本の捉え方はさまざまだ。中高生や大人だけでなく、タコジローと同じように、人間関係に悩んでいる人にも手に取ってもらいたい。

 著者の古賀さんは、出版社勤務の経験がある。そのため、執筆の仕方のプロセスが分かりやすく書かれている。「日記をつけてみたいけれど、文章を書くのが苦手」という人もぜひ挑戦してみてほしい。

 書くという行為は、考えることであり冒険だ。ありのままの気持ちを日記につづることで、新たな自分と出会えるかもしれない。(ポプラ社/1650円)