山口祥義知事(左)に離島の海上運搬の維持に関する要望書を手渡す峰達郎・唐津市長=佐賀県庁

 唐津市の七つの離島の関係者でつくる佐賀県離島振興委員会(委員長・峰達郎唐津市長)は18日、離島のごみ収集など廃棄物の海上運搬の維持を、山口祥義知事に要望した。

 委員会は県の新年度当初予算編成時期に合わせ毎年要望活動を実施している。

 唐津市の離島は、ごみや生活排水の収集で、車両を運ぶ台船(運搬船)を使っている。以前は市内に運航事業者が2社あったが、5年前に1社が廃業。現在は1社が各島を回っているが、予備日は週1日だけで、悪天候の場合は運航スケジュールに余裕がない。

 峰市長は「離島への海上輸送力である運搬船の運航が、唯一の民間事業者の経営努力に支えられている現状だ」と指摘。「運搬船の老朽化や船員の高齢化に伴い、新船の造船など海上運搬を維持する支援策を今から検討する必要がある」と県の協力を求めた。

 要望書を受け取った山口知事は「運搬船がなくなったら大変だということを第一に考え、知恵を使って唐津市と一緒にしっかり支援していく方向で考えたい」と応じた。(栗林賢)