元高校教諭の東島勝彦さん(81)=白石町=が、初めての句集「傘寿」を発行した。人と自然の関係性、家族や教え子との関わりを詠んだ約300句を収めた。
生涯の半分をささげた教職を辞し、「ぽっかり空いた」という心を埋めるものを探して俳句に出合った。約10年前から佐賀新聞文化センターの武雄教室で佐賀新聞読者文芸欄選者の木原昭芳さんに師事。木原さんが佐賀で指導する「鶴」の句会に出席するようになり、現在は同会の全国結社にも参加している。
結社の俳誌に掲載された俳句とエッセー4本を収録した。山の暮らしを伸び伸びと表した「山苦役現地集合秋暑し」、50年連れ添った妻の愛らしさを詠んだ「秋薔薇(ばら)金婚の妻新車買ふ」などの句が並ぶ。
病を患い、入院中の病室でも校正に励んだ。東島さんは「人間も生きている限り他の動植物と同じ。元気になれば、自然を観察して新たな俳句もつくりたい」と笑顔を見せる。同書は文学の森刊。10月半ばごろから佐賀市の県立図書館で閲覧できる。(花木芙美)