データサイエンスの役割などを話した佐賀大理工学部の皆本晃弥教授=佐賀市の同大

 佐賀県内で活躍するデジタル人材や起業家を育成するための高校生向けプログラム「SEIRENKATA」の特別講義がこのほど、佐賀市の佐賀大であった。理工学部の皆本晃弥教授(応用数学)が、国が推進するデータサイエンスの現状や、情報社会での教育の在り方について話した。

 皆本教授は大量のデータを処理、分析するデータサイエンスの役割を「新たな価値創造に結び付けること」と説明し、「重要な分野と意識して」と強調した。データを扱う企業が世界時価総額ランキングの上位を占めていることや、自身が内視鏡画像からの早期がん発見などで主に画像データを扱っていることも紹介した。

 日本の教育についても語り、「工業社会に資する人材の育成を徹底し成功を収めたが、情報社会になってもそれを続けた」と指摘。「君たちの生きる社会は今までとは全く違う。自分の頭で考える力をつけて」と助言し、「世界のリーダーになれるように頑張って」とエールを送った。

 SEIRENKATAは県と県内企業が取り組み、高校1年の100人が半導体の回路設計やデータサイエンス、プログラミングを学ぶ。唐津南高1年の園田羽音(はのん)さんは「学校の先生たちはこうした教育を受けていないから、教えるのも難しいと思う。私たちが学び、広げていかなきゃいけない」と話した。(志垣直哉)