佐賀県内で焼酎用のカンショの栽培が広がっている。酒造メーカーが基腐(もとぐされ)病のリスク分散のため、北部九州に新たな産地を求めたことを機に、昨年から県内で栽培が始まった。収穫機械が貸し出され、泥付きのままで出荷できて作業の負担が少ないことに加え、出荷先が決まっていて安定的な収入が得られるメリットがある。2年目の今年は栽培農家数、面積ともに拡大している。
全国有数のカンショの産地である南九州では近年、基腐病の影響で収穫量が落ち込み、焼酎などの加工品の生産に影響が出た時期があった。さらに、高齢化で栽培農家が減少している。霧島酒造(宮崎県都城市)はリスク分散のため、焼酎の原料を安定的に確保しようと、栽培先を北部九州にも広げることを目指した。