佐賀の鉄道の歴史を紹介するさが鉄道研究会の古賀宏会長=佐賀市の兵庫公民館

 佐賀の鉄道の歴史をテーマにした講演会が5日、佐賀市の兵庫公民館で開かれた。さが鉄道研究会の古賀宏会長(63)が、幕末佐賀藩の蒸気車製作を源流とする佐賀の鉄道の変遷を解説した。

 古賀会長は、佐賀藩が蒸気車のひな型を完成させて精煉方(せいれんかた)で走らせていたことや、1872(明治5)年に開通した日本初の鉄道の建設に大隈重信が貢献したこと、馬で客車を引いた明治時代の「佐賀馬車軌道」などを当時の地図や資料を示しながら紹介した。

 戦前に佐賀市を走っていた路面電車「佐賀電気軌道」が不動産業や観光業の免許を持っていたことにも触れ、「沿線や観光の開発も視野に入れていたのでは」と説明。1937(昭和12)年に廃止されていなければ、現在の県内の公共交通にも影響していた可能性を指摘した。

 講演会は、佐賀県の歴史や文化を学ぶ「さが学講座」として開かれ、約40人が聴講した。(伊東貴子)