台風10号接近に伴い佐賀県内で発令されていた避難指示などは30日午後までに全て解除された。県は29日に亡くなった鹿島市の80代男性について、台風による死者と認定した。県内の負傷者は5人になった。
県や鹿島市によると、男性は29日午前、自宅近くの祐徳稲荷神社の参道であお向けに倒れているのが見つかり、病院に搬送されて死亡が確認された。右後頭部にけがをしていた状況や当時の気象条件から、強風にあおられて転倒した可能性が高いと判断した。
佐賀地方気象台によると、28日の降り始めから30日午後4時までの雨量は佐賀市北山185ミリ、伊万里市167ミリ、鳥栖市144・5ミリ。同気象台は「これまでの雨で地盤が緩んでいる所があり、少しの雨でも土砂災害に警戒してほしい」と呼びかけている。
江北町では30日朝、50代男性が電柱の約3メートルの高さから転落し、救急搬送された。県によると、強風の影響で佐賀市の佐賀空港のフェンス2カ所(計約130メートル)が倒壊した。また、同市巨勢町の玄海橋交差点付近で29日午後1時ごろ、高さ5メートル以上の看板の柱が折れて車道に向かって倒れた。大豆など農作物にも影響が出ている。
県警によると、29日は県内の18カ所の信号機で滅灯に関する通報があった。うち4カ所は発電機で対応した。また、別の4カ所では強風で信号機の向きが変わっていた。 (取材班)