オランダの博物館を視察した近藤貴子学芸員(中央)の解説を聞く来場者=武雄市図書館・歴史資料館

 武雄市図書館・歴史資料館で開催中の企画展「武雄、オランダを知る」の関連イベントが24日、同資料館で開かれた。昨年11月にオランダの国立民族学博物館などを視察した近藤貴子学芸員が、現地の資料と展示品を比較し、武雄と西洋文化の関わりなどを解説した。

 近藤さんはオランダの博物館に企画展の資料と類似したものが何点もあり、現地の学芸員から驚かれたことを報告。武雄領主・鍋島茂義をはじめとする武雄の人たちが「書物や機材、武器などを何を目的に収集したのか、さらに研究を進めなければならない」と話した。

 武雄出身の山口尚芳(ますか)ら岩倉使節団がオランダに到着したことを報じた新聞なども紹介した。武雄市内から参加した宮廻(みやさこ)博さん(72)は「世界に誇れる資料が武雄に多く残されていることをもっとアピールしなければ、と感じた」と話した。

 企画展は、武雄鍋島家の洋学資料の国重要文化財指定10周年を記念して開いている。入場無料、9月1日まで。31日午後2時から、学芸員によるギャラリートークを開く。問い合わせは同資料館、電話0954(28)9105。(澤登滋)