明智小五郎(あけちこごろう)に怪人(かいじん)二十面相。江戸川乱歩(えどがわらんぽ)作品が好きな人は、その名を聞いたことがありますよね。
『怪人二十面相』や『少年探偵団(たんていだん)』の生みの親で、日本探偵小説の父と称(しょう)される江戸川乱歩の生誕(せいたん)120年を記念して発刊(はっかん)されたこの本は、万城目(まきめ)学や湊(みなと)かなえといった現代(げんだい)の著名(ちょめい)な作家たちが、作品の世界観をそのままに、新たな物語を紡(つむ)いだ短編集(たんぺんしゅう)です。
物語の第1編では、早くに両親を失い、父方のおじいさんと暮(く)らすこととなった双子(ふたご)の少年が、それぞれの特別な能力(のうりょく)を駆使(くし)しながら、おじいさんが関わった事件(じけん)の謎(なぞ)を解(と)いていきます。はたして二人の運命は? ラストには読者を驚(おどろ)かせる展開(てんかい)も。何度も読み返したくなる作品です。
今年は江戸川乱歩の生誕130年、乱歩(らんぽ)の世界に浸(ひた)る絶好(ぜっこう)の機会です。
学校の図書室で手に取ったことのある方も、初めて触(ふ)れる方も、江戸川乱歩の魅力(みりょく)を再(さい)発見できる、懐(なつ)かしさと新鮮(しんせん)さを兼(か)ね備(そな)えたこの短編集をぜひ、手に取ってみてください。
(司書ネットワーク課 東泰恵)
ほかにもこんな本をおすすめ!
◆怪人二十面相
江戸川乱歩/作(講談社)
◆少年探偵団
江戸川乱歩/原作
芦辺拓/文(学研プラス)
◆みんなの少年探偵団2
有栖川有栖/著
歌野晶午/著
大崎梢/著
坂木司/著(ポプラ社)
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