セリ科のトウキは日本で栽培される多年草で、草丈は60~90センチほど。8月から10月ごろに白色の小さな花を複散形花序(ふくさんけいかじょ)につけます。株全体にセロリのような香りがするのが特徴で、傷つけるとさらにその香りは強くなります。

 薬用では根の部分を使用し、冷え性、月経不順、貧血などに効果があります。生薬名は「当帰(とうき)」といい、中国最古の薬学書「神農本草経」に収載されるほど古くから薬用として利用されてきました。中国はカラトウキが、日本ではニホントウキが当帰として扱われています。

 その他、美容や健康に役立つ栄養成分が含まれている葉は、保湿効果を目的とした入浴剤などに用いられています。また、ハーブとして料理のアクセントや香り付け、天ぷらやお茶、調味料などにも使われています。(中冨記念くすり博物館)