「畳の上に立って試合ができたことを誇りに思う」。柔道女子団体で連覇を逃した佐賀商の井上安弘監督は、無念さを押し殺し選手をたたえた。満身創痍(そうい)の状況でも、誰一人として下を向かずにつかんだ準優勝。井上朋香は「今の状況でやれることは出せた」と顔を上げた。

 春の全国選抜準決勝、直前の金鷲旗決勝で敗れた敬愛(福岡)との最終決戦。3人とも故障や不調を抱えながら、日本一を阻まれ続けた宿敵相手に、“3度目の正直”を目指した。先ぽうの井上は攻め込んだが引き分け。中堅の清水優陸は体格差をはね返して積極的に担いだ。大将の田中あいは倒れ込んだ相手を抑えこもうとした。しかし、あと一歩及ばず1分け2敗で戦い終えた。