土木工事業の久富重機(鳥栖市・久富睦夫社長)は、7月までに事業を停止して破産手続き開始の準備に入った。負債総額は約1億5千万円が見込まれる。従業員数は8人。債権者数は25人。
1990年に創業し、2017年に法人化。下請けで土木工事を主に手がけ、地元に密着した受注活動を展開して売上高を伸ばしつつあったが、単価安の傾向や度々の不採算で赤字を散発。22年11月期の売上高は1億7400万円で売上総利益で赤字になり、債務超過となった。翌年同月の売上高は3億5035万円とほぼ倍増したものの、売上総利益の段階で703万円の赤字となり、固定資産売却益1898万円の特別利益を計上した後の純損失は1784万円だった。
赤字補塡(ほてん)を含めて調達していた運転資金や設備投資による借入金の負担が重くなっていた。また、久富社長の体調不良も重なり、再建が困難となった。
(東京商工リサーチ佐賀支店調べ)