鳥栖の夏を勇壮に彩る「鳥栖山笠」が20日、開幕した。猛暑の中、水法被に締め込み姿の男衆に引かれ、6台の山車(だし)がさっそうと鳥栖八坂神社を出発し、「エイサー、エイサー」のかけ声とともに中心市街地を練り歩いた。
鳥栖山笠奉賛会の大石耕司会長(81)が「天気がいい日、暑い日、これが山笠の日。しっかり頑張ろう」と激励し、中央区「弁慶号」を先頭に山車が次々に市街地へ飛び出していった。
本通筋商店街に勢ぞろいした6台は、山車を一斉に激しく揺らす「総がぶり」を披露。中央公園でタイムレース「祇園旗廻り」を行った。21日も午後1時に鳥栖八坂神社を出発、同1時半から総がぶりを行う。
沿道から担ぎ手に浴びせる「力水」は祭りを盛り上げるが、子どもにとって知らない大人に水をかけるのは気が引けるもの。今年は地元の鳥栖小PTAが特設の“水かけスポット”を準備し、希望した親子70人が力水かけを行った。
水を張ったプール二つに洗面器と水鉄砲が用意され、秋葉町「浮立(ふりゅう)面」に乗り込んだ古賀泰伸校長を見つけた子どもたちは、ひときわ多くの力水を浴びせた。
少子高齢化で近年、祭りの参加者は減っており、子どもたちに祭りを身近に感じ、興味関心を持ってもらおうと初めて企画した。洗面器で何度も力水をかけた林田健聖さん(3年)は「力水かけは初めてで、とても楽しかった」と話した。(樋渡光憲)