進出協定を結んだオレンダワールドの澁谷陽史社長(左)と唐津市の峰達郎市長=唐津市役所

 AI(人工知能)開発企業のオレンダワールド(東京)と唐津市は19日、進出協定を締結した。同社は自動運転技術開発などで必要な仮想空間シミュレーターやAI音声といった領域で成長している企業で、今月、市内に唐津スタジオを設ける。

 同社は当初、ゲームやアニメーションなどを主要事業としていたが、蓄積したCG(コンピューターグラフィックス)映像などの技術で、AI分野への比重を高めている。従業員は今年2月時点で74人、昨年10月期の売上高は9億2774万円。

 本社以外では、天草スタジオ(熊本県)と玖珠営業所(大分県)に次ぐ事業所で、技術者がいるのは唐津スタジオが初めてになる。唐津では音質変換開発、生成AIによる画像編集技術開発、仮想空間シミュレーターの開発運用などを行う。配置転換で1人から始め、5年後は配置転換5人、新規地元雇用3人を計画している。売り上げは1年目は700万円、5年後は8千万円を見込む。

 澁谷陽史社長は「唐津市はポテンシャルが高い。大都市の福岡から人材を取ることができる。事業のほかにも、採用や教育事業を通してAIエンジニアを育てていきたい」と語った。(宮﨑勝)