付け替え道路や水源地域振興策について報告があった城原川ダムの住民説明会=神埼市の仁比山温泉もみじの湯

 神埼市脊振町に国が建設を予定する城原川ダム事業について、国土交通省佐賀河川事務所や神埼市などは16日、予定地の下流域となる仁比山地区住民を対象にした住民説明会を開いた。水没地域を迂回(うかい)する付け替え道路や地域振興の取り組みについて報告があった。

 冒頭、實松尊徳市長は「九年庵やもみじの湯、仁比山公園など地域資源や歴史的に由緒ある地域で、しっかりと取り組みを進める必要がある」と述べ、毎月実施する予定の定例記者会見に触れて「神埼市、城原川ダムの現状を積極的に発信していく」とした。

 城原川沿いの県道三瀬神埼線は、付け替え道路や取り付け道路を計画している。佐賀河川事務所の古賀満所長は「用地調査や設計調査を進めていく。関係の方には、個別で丁寧に説明させていただく」と話した。

 ダム水源地域の地域振興策については、「水源地域活性化推進会議」で、自然環境の保全や観光振興など五つの作業部会が協議を重ねている。城原川ダム仁比山地区委員会の井上義博会長(66)は「付け替え道路で、客足が遠のく店舗もある。看板を立てるなど案を出したいが、どの部会で議論するかが明確ではない。部会間の情報共有も必要」と指摘した。(樋口絢乃)