6月中旬、例年より遅めの梅雨入りを前に、SDGs(持続可能な開発目標)の観点から、使い捨てされている傘の削減や、不要になった傘の布地を再利用する取り組みを見てみた。
佐賀市内で3年前から始まった傘のシェアリングサービス。運営する「アイカサ」(東京都)の黒須健取締役(30)は日本で廃棄されるビニール製の使い捨て傘が年間約8千万本に上るといい、「傘の消費削減で脱プラスチックやSDGsにつながる」と話す。
県の歩くライフスタイル「歩こう佐賀県。」の一環として2021年10月~24年3月まで提携し、無料で利用できた。本年度からは有料になり、24時間140円で利用できる「使った分だけプラン」と、月額280円で利用できる「使い放題プラン」がある。
貸し出しスポットは(1)県庁(2)県立図書館(3)市立図書館(4)アバンセ(5)サガテレビ1階「JONAI SQUARE」(6)リフトコーヒーの市内6カ所。他県の別のスポットでも返却できる。利用は専用アプリが必要。
◇
佐賀市白山にある障害者の就労支援B型事業所「DE・TE・KO・I 白山」(陣内計江施設長)は、不要になった傘の布を再利用した商品を販売する。企業や一般から、引き取り手のない忘れ物や不要な傘を回収し、施設スタッフと利用者で布をはいで縫製する。
売れ筋は絞りひも付きの傘袋(500円)で、傘布のはっ水性の高さが発揮される。2リットルペットボトルが3本入る丈夫なエコバッグ(450円)も人気。熱湯消毒可という利点を生かし、子育て中の家庭で外出先での汚物入れとして絞りひも付きエコバッグ(大700円、小600円)が活躍したとの声もあるという。
陣内施設長は「軽くてかさばらず、さまざまなシーンで役立つ」とおすすめする。購入は佐賀駅そばのチャレンジドショップきらめき(佐賀市栄町4-20)、または同事業所=電話0952(24)2762=へ。(上田遊知)