メゾソプラノ歌手の井上明子さん

 メゾソプラノ歌手の井上明子さん(68)=佐賀市=が23日午後2時から同市柳町の浪漫座で、シリーズ3度目の演奏会「私の愛したLied(リート)vol.3」を開く。ドイツと日本の歌曲を中心に、しっとりとした大人の雰囲気漂う歌声を堪能させる。

 演奏会は「活水学院音楽科卒業生の会」による演奏会15回記念公演として開く。ピアノは井上さんと同じく同会会員の中島彩知可さん、ゲストにビオラ奏者の中島晃さんを招く。

 井上さんは活水女子短期大を卒業し、佐賀大学名誉教授の故・富永みさをさんらに師事した。富永さんが手がけた創作オペラ「陶工の詩」や「次郎物語」「赤絵まんだら」に出演し、現在は佐賀県民オペラ協会の代表も務めている。

 選曲には師への思いがあふれる。シュトラウスの「献呈」と「セレナーデ」は、富永さん傘寿の祝いで歌うはずだったが自身の体調不良で断念した楽曲で、小学生の頃から成人後も共に過ごした恩師をしのぶ。山田耕筰や團伊玖磨、ブラームスやシューベルトの歌曲など、東京や福岡で学んだ師にまつわる曲も歌う。

 同シリーズの演奏会は2013年から開き、深みのあるメゾソプラノの魅力を伝えてきた。昨年7月に亡くなった富永さんを思い「『あんた、まだやってるの』って言ってるかも」と笑う。(花木芙美)

▶チケットは1ドリンク込みで3千円。問い合わせは井上さん、電話080(5802)7964。