佐賀労働局が31日発表した佐賀県内の4月の有効求人倍率(季節調整値)は1・32倍で前月から0・01ポイント上昇した。27カ月連続で1・3倍以上の高水準が続いている。同労働局は「景気回復に向けて歩みを進めている」と分析する。

 新規求人数は前年同月比2・3%増の7166人。5カ月ぶりに増加し、宿泊、飲食サービス業で16・8%増、卸売、小売業で12・3%増えた。訪日観光客の影響や今後の事業拡大を見据えた求人が増えている。

 慢性的な人手不足が続く製造業は18・6%減。14カ月連続で減っているが、外国人労働者を雇い入れる事業所も増えている。運輸、郵便業では18・4%減った。有資格者の確保に苦戦しており、業務を縮小して対応する事業所も見られるという。有効求人数は2・8%減の1万9415人。

 新規求職者数は4775人で前年同月から4・8%増、有効求職者数は1・3%増の1万5869人。正社員の有効求人倍率は1・10倍で前年同月から0・02ポイント増えた。佐賀労働局は「原材料高騰など物価高が与える雇用への影響を注視する必要がある」としている。(福本真理)

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 厚生労働省が31日発表した4月の有効求人倍率(季節調整値)は、前月を0・02ポイント下回る1・26倍で、2カ月ぶりに低下した。都道府県別の有効求人倍率は、最も高い福井が1・78倍。最も低いのは神奈川の0・92倍だった。

 新規求人数を主要産業別で見ると、今年4月から時間外労働(残業)の上限規制が適用された建設業は3・9%減。トラック運転手などを含む運輸・郵便業は2・3%減だった。収入減を心配した従業員の離職を防ぐため給与を維持したため、新規採用を控えた企業もあるという。

 総務省が同日発表した4月の完全失業率(同)は、前月と同じ2・6%だった。完全失業者数は前年同月比3万人増の193万人だった。