佐賀県の山口祥義知事は30日、東京・霞が関の10府省庁を訪ね、国への政策提案を実施した。経済産業省では、原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場を含む「原子力の利用に伴う負担」について、国全体で分担するよう求めた。「電力消費地の皆さんも含めて、エネルギーの問題を考えるべき」と都市部にも議論を広げるよう訴えた。
政策提案は冒頭を除き非公開。経産省では、飯田祐二事務次官に山口知事が提案書を手渡した。飯田氏からは、提案を踏まえ、全国的な議論となるよう、国が前面に立って取り組むことが伝えられた。
玄海町は今月10日、最終処分場選定に向けた第1段階の「文献調査」の受け入れを表明した。次の「概要調査」に進むには知事の同意が必要になる。
面談終了後、記者団から第2段階の調査に進む際の判断について問われた山口知事は、改めて「(原発立地県として)新たな負担を受け入れる考えはない」との認識を示した。その上で「次の手続きでは県の関与も出てくる。私の考えはずっと変わらないと申し上げていく」と述べ、県内への最終処分場受け入れには否定的な立場であることを強調した。
政策提案は例年、来年度の国施策への反映を目指すため、各省庁の概算要求前に実施している。今回は135項目を提案した。(大橋諒)