「狭山問題を考える佐賀住民の会」の定期総会で、あいさつする藤岡直登会長=佐賀市の自治労会館

 埼玉県狭山市で1963年に女子高校生が殺害された狭山事件で、無期懲役が確定し、服役後に仮釈放された石川一雄さんの冤罪(えんざい)を訴える「狭山問題を考える佐賀住民の会」の定期総会が18日、佐賀市であった。参加者は「見えない手錠を外したい」と、再審の実現を訴えた。

 総会で藤岡直登会長は「石川さんは今も無実を叫び、生きて冤罪を晴らすと訴えている」と述べた。静岡県の一家4人が殺害された事件で死刑が確定した袴田巌さんの再審が間もなく結審となることに関し、「無罪判決に期待している。次は狭山事件。石川さんの無罪を勝ち取りたい」と呼びかけた。

 狭山事件では、近くの被差別部落に住んでいた石川さんが逮捕された。77年に無期懲役が確定し、31年7カ月服役した。現在、第3次再審請求中。同会は石川さんが逮捕された日に合わせて23日午後6時から、佐賀市のJR佐賀駅前で街頭活動を行う。(樋口絢乃)