佐賀県有明海漁協などに排除措置命令が出されたことを受け、「このような事態に至り遺憾」と話す坂本哲志農林水産相=同省

 有明海の養殖ノリ販売で佐賀、熊本両県の漁業団体が「全量出荷」を組合員らに不当に求めたとして、公正取引委員会が独占禁止法違反で出した排除措置命令に関し、坂本哲志農林水産相は17日の閣議後会見で「このような事態に至ったことは遺憾」と述べ、厳正に対処する考えを示した。

 坂本氏は、2021年11月に「水産物・水産加工品の適正取引推進ガイドライン」を策定し、漁業団体が独禁法違反の恐れがある行為をしないよう指導してきたと説明。今回、佐賀県有明海漁協(佐賀市)と熊本県漁連(熊本市)に排除措置命令が出されたことについて、「遺憾だ」と強調した。

 現在、関係県と連携しつつ、漁業団体の認識や事実関係について報告を求めているとし、「今後、その内容を踏まえて厳正に対応したい」と述べた。合わせて公取委から要請があった、独禁法やガイドラインの遵守の周知徹底については、「公取委と連携して対応する」と説明した。

 両漁業団体が排除措置命令の取り消しを求める訴訟を起こす意向であることについては「個別の事件の裁判について、コメントは差し控えたい」と述べるにとどめた。(大橋諒)