待ちに待った春のシギ・チドリたちの渡りの季節がやってきました。この時季はオーストラリアなど日本より南で越冬していた渡り鳥の仲間のシギ・チドリ類が、繁殖地であるロシアなどの北の国を目指す途中で有明海に立ち寄ります。

 今回ご紹介するのは、体はハトくらいで大きな丸い瞳が特徴のチドリの仲間「ムナグロ」です。胸のあたりが黒いので日本名は「胸黒」といいますが、英名はPacific Golden Plover(太平洋の黄金チドリ)となり、背中のゴールドに着目した名前となっています。

 きらびやかで一見派手に見えるこの色ですが、彼らの繁殖地であるロシアのツンドラは春になるとコケや地衣類(ちいるい)で地面が覆われ、ムナグロの羽の色は見事な保護色となり地面に溶け込んでしまいます。

 地面に巣を作りひなを育てるムナグロにとって、この色は天敵から身を守ってくれる色なんですね。