玄海町議会の特別委員会が原発の高レベル放射性廃棄物(核のごみ)の最終処分場選定に向けた文献調査の受け入れを求める請願を採択した25日、玄海原発と長年向き合ってきた町の住民からは「直ちに処分場の受け入れにつながるわけではない」と淡々とした受け止めが目立った。調査に対する関心が高まっていない状況から、さらなる説明や議論を求める声も聞かれた。

 「そういえば採決は今日だったな、という感じ。知らない人の方が多いのでは」。町役場を訪れた自営業の40代男性は、1階ロビーに詰めかけた多くの報道陣を見ながら語った。

 町内3団体が文献調査の受け入れを求める請願書を提出したことが明らかになってから10日。男性は「高齢化が進むし、若者もいない。何もしなければ廃れていくだけ。それ(解決策)が何なのかは分からないけどね」とつぶやいた。