プリンは各500円。左からオーツミルク、ソイミルク

 4年前、“ばあちゃん孝行”のため東京から伊万里へUターンした松本啓さん(27)が立ち上げた養鶏場「素ヱコ(すえこ)農園」。古い倉庫を改修した事務所に2月、念願の直売所がオープンしました。

 小さな屋根付きの窓で、平飼いの鶏の卵「ばあちゃんの昔たまご」(6個500円~)やプリンを販売しています。

「素ヱコ農園」の直売所。「気軽に遊びにきてください。予算でギフトも作れますよ」と、代表の松本啓さん、妻の美和さん

 代表の松本さんは、大学時代に留学先のオランダで最先端の農業を勉強。卒業後はかつて一緒に暮らしていた祖母と住むため伊万里に帰郷し、未経験から農業の道へ。クラウドファンディングで資金調達をするなど、手探りで養鶏場を立ち上げました。

 食べる人にも環境にも優しい「循環型農業」を掲げ、現在は約2000羽の鶏を平飼いで飼育。化学品や薬剤を使わず、地元産業で廃棄されるはずだった米ぬかやおからを独自配合の飼料を与えるなど、小規模だからこそできる取り組みを実践しています。

 こだわりのエサを与え、平飼いでのびのびと育てた鶏の卵は、臭みがなく、上品な味わい。ぷるんと張りがある白身が特長です。

 自慢の卵を多めに配合しているというプリンは、とろとろ系の「オーツミルク」、むっちり系の「ソイミルク」の2種類。卵の味を邪魔しない、有機オーツミルクと有機豆乳を使用。口に運ぶと濃厚な卵の風味と優しい甘さがふわりと広がります。

手作りの「パウンドケーキ」(プレーン200円、チョコ220円)、「メレンゲクッキー」(150円)

 これまではネット販売中心で、購入客のほとんどが県外在住でした。「地域の人から『どこで買えばいいの?』と言われることが多く、やっとお店ができてうれしいです」と、従業員で妻の美和さん。

 こだわりの詰まった卵やおやつは、大切な人へのギフトやお土産にもおすすめ。春のお出かけシーズン、ドライブがてら小さな農園の直売所に出かけませんか。(清川千穂)

DATA

住/伊万里市黒川町福田1405-3
電/0955-35-4709
営/12:00~16:00
休/不定
駐/7
IG/suecofarm
他/取り置き可

LINEで送る