AIを活用して新たなサービス創出を模索するなど本年度の取り組みを確認した「佐賀市DX推進本部会議」=佐賀市役所

 行政サービス向上を目的に、デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みに力を入れる佐賀市は8日、DX推進本部会議を開き、健康や観光分野で、人工知能(AI)を活用した新たなサービスを創出するなど本年度の取り組みを確認した。

 市は昨年6月、市民向けに「佐賀市スーパーアプリ」の運用を開始。一つのアプリの中に行政情報の利用や手続きができる複数のアプリを統合し、いつでもどこでも欲しい情報が手に入ること、双方向のコミュニケーションが容易になることなどをPRしている。3月末までに約3万9千人がダウンロードした。

 本年度は行政サービスでオンライン申請や予約機能を拡充するほか、住民サービスやコミュニティー関連でアンケート機能を加える。

 AIを活用し、健康づくりや観光ルートの提案も行う。具体的には健診のハイリスク者に対し、従来は運動や栄養関連の啓発にとどまっていたが、今後は結果をQRコードで読み込むと、具体的に「近くの◎◎(場所)で運動が可能」などと踏み込んだ提案が出るような仕掛けを考え、行動変容につなげる。観光分野では「2時間で回れるルート」「市北部で」など意向をくみ取ったものを提案可能にする。

 市の取り組みは国の「デジタル田園都市国家構想交付金」に採択された。本年度、DX関連の総事業費は約6億4千万円。坂井英隆市長は「デジタルは今の時代のインフラ。活用し、便利さをさらに高めて市民の幸せにつなげていきたい」と述べた。(川﨑久美子)