九州防衛局の担当者(左)に要請書を手渡す「みんなでSTOPオスプレイ佐賀」の山下明子共同代表(中央)と力久修共同代表=佐賀市の九州防衛局佐賀現地事務所

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画に反対する市民団体「みんなでSTOPオスプレイ佐賀」は8日、防衛省九州防衛局の佐賀現地事務所(佐賀市川副町)を訪れ、木原稔防衛相と江原康雄局長宛てに、工事を一時中断して環境影響評価(アセスメント)の実施を求める要請書を提出した。

 県条例は35ヘクタール以上の用地を造成する事業者に環境アセスの実施を求めているが、九州防衛局は駐屯地(造成面積34・1ヘクタール)と近くの排水対策施設(約7ヘクタール)の工事には「一連性がない」としている。

 要請では、九州防衛局が作成した工事の仕様書を引き合いに「排水対策工事で掘削した土砂を、自工区で流用する『流用土』として駐屯地工事の盛り土に流用していることが明記され、一連性を防衛局自身が認めている」と指摘。「アセス逃れのまま、工事を続行することは許されない」として、対応を文書で回答するよう求めた。

 防衛局の担当者は「建設発生土の利用は一般的に行われること。排水対策施設の土砂の活用は駐屯地工事の開始後に決まったため、全く別の事業だ」と説明した。(上田遊知)