「河豚」と「鰒」どちらもこれでフグと呼(よ)びます。食べたことがある人も多いですよね。有名な話ですが、多くのフグの仲間の内臓(ないぞう)にはテトロドトキシンという猛毒(もうどく)が含(ふく)まれており、専門(せんもん)の免許(めんきょ)を持った人しか調理できないほどとても危険(きけん)です。そういった理由で、豊臣秀吉(とよとみひでよし)は武士(ぶし)にフグを食べることを禁(きん)じ、明治時代には全国民のフグ食が禁じられました。
しかし、山口県の下関(しものせき)だけではフグを食べることが許(ゆる)されました。そういうこともあり、今や下関といえば「フグ」というくらいの名産になりました。ちなみに、下関ではフグを福とかけて「ふく」と呼んでいるんですよ。もう一つ豆知(ち)識(しき)を入れると、北陸ではフグの内臓をぬか漬(づ)けにして食べています。なぜ毒が消えるかは不明らしいですが…。
そんなフグで間違(まちが)いなく一番身近なのがこのクサフグ。釣(つ)りをしていても河口(かこう)にいてもほぼ毎回見かけます。捕(つか)まえたら怒(おこ)ってプクーっと膨(ふく)らみますよ。肋骨(ろっこつ)がないので水を吸(す)ったら膨らめるんです。もうしばらくして5~6月ごろからクサフグは恋(こい)の季節を迎(むか)えます。群(む)れで浅瀬(あさせ)に打(う)ち寄(よ)せて波打(なみう)ち際(ぎわ)で産(さん)卵(らん)します。運が良ければ見られるかも。
それと私(わたくし)ごとですが、3月でやながわ有明海水族館の館長を辞(や)めることになりました! 名誉(めいよ)館長という役(やく)職(しょく)になりますが、これからは水族館以外でも活動していこうと思っていますので、みなさんよろしくお願いします!
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佐賀大(さがだい)生・亀井裕介(かめいゆうすけ)さんが、佐賀県(さがけん)内の水辺の生き物を分かりやすく紹介(しょうかい)します。毎週掲載(けいさい)です。
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