JR九州新幹線計画部長の牛島康博氏を招いて開かれた特別講演会=鳥栖市の鳥栖商工会議所

 鳥栖商工会議所が29日、「新幹線を整備する意義について」をテーマにJR九州の担当者を招いて講演会を開いた。九州新幹線長崎ルートの整備方式検討区間を巡って、JR久留米駅から分岐して佐賀駅南側を通るルートを要望する動きがある中、商工関係者約30人が新幹線問題を考える論点を学んだ。

 通常議員総会の特別講演会として開いた。

 JR九州の牛島康博新幹線計画部長が、鹿児島ルートの整備事例を基に、新幹線駅がある市町には移動時間短縮効果でより遠くから人が訪れるようになり、定住効果も生まれて人口の流出が減るデータを示し、新幹線整備の意義を強調。その上で、時間短縮効果が大きい佐賀駅-新鳥栖駅を経由するルートが合理的と説明した。

 齊藤恭宏会頭は「分岐駅になる、ならないで不都合が生じるのか、明確な答えは聞けないが心配なところ」と地元の思いを述べ、「久留米以南の動きは気になるし、必要となれば何らかのアクションを起こさなければならない」と語った。長崎ルートの協議が進めば、停車数や必要な線路数などJR鳥栖駅の役割が明らかになり、駅周辺整備の検討が可能になるとし、「早く決まってほしい」との思いも述べた。(樋渡光憲)