近所付き合いの重要性を訴えた大町町地域おこし協力隊の公門寛稀さん=佐賀市のメートプラザ佐賀

 地域の防災力向上をテーマにした講演会が16日、佐賀市のメートプラザ佐賀で開かれた。大町町地域おこし協力隊の公門寛稀(ひろき)さん(33)が、同町での取り組みを紹介しながら「地域防災のためには、普段からの近所付き合いが大切」と呼びかけた。

 公門さんは昨年県内を襲った大雨災害や今年1月の能登半島地震などを挙げ、「全国的に豪雨や地震などの災害の発生率が増加してきている」と指摘。近所付き合いの重要性を強調した上で、大町町の2地区が、安否確認や避難支援を迅速に行うために要配慮者、支援者などを載せた地図を作成したことを紹介した。

 参加した自治会長らからは「個人情報保護で地域での情報共有が困難。自治会に入らない人もいるがどう支援すべきか」「災害の経験がない人も多く、防災意識を高めるにはどうすべきか」などの質問があり、公門さんは「自治体、行政の他に外部の団体と連携を取る選択肢もある」「災害が起こってからでは遅い。定期的に課題を整理するなど継続した呼びかけを」と答えた。

 自主防災組織の設立促進を目的に市が主催し、約40人が参加した。自主防災組織活動事業への補助金についての説明もあった。(上田遊知)