溶融資源化センターの閉所式に出席した人たち=みやき町

 鳥栖・三養基西部環境施設組合(管理者・岡毅みやき町長)は22日、3月末で稼働を終える広域ごみ処理施設「溶融資源化センター」(みやき町)で閉所式を行い、関係者約50人が20年の歩みを振り返った。

 施設は県内初のシャフト炉型ガス化溶融炉として注目され、2004年に操業を開始。鳥栖市、上峰町、みやき町のごみ処理業務を担ってきた。操業直後は衣類や布団が機械に巻き付くトラブルで県外の施設などに一部処理を委託したり、開発メーカーが運転業務撤退の考えを示すなどの問題が浮上したが、05年の大規模改修後は順調に稼働した。これまでに累計60万8千トンの可燃ごみを処理した。

 岡町長は「周辺環境に負荷を与えることなく事業を完了できることに喜びを感じる」とコメント。地元の香田地区の小屋町寛幸区長(70)は「建設当時はダイオキシン類が大きな社会問題となっている状況だったが、事故も無く無事に役目を果たしてくれて良かった」と話した。

 4月からは、神埼市と吉野ヶ里町を含む2市3町でつくる県東部環境施設組合が鳥栖市真木町に建設したごみ処理施設を利用するため、現在の焼却施設は24年度から3年をかけて解体される。粗大ごみや資源ごみを処理するみやき町のリサイクル施設は県東部環境施設組合によって、28年度まで引き続き運用される。(井手一希)