いのちの大切さについて話した草場一壽さん(右)と絵本を朗読した副田ひろみさん=佐賀市文化会館

 ベストセラー絵本「いのちのまつり」の出版20周年を記念したトークライブがこのほど、佐賀市文化会館で開かれた。著者で陶彩画家の草場一壽(かずひさ)さん(武雄市)が、先祖に思いをはせ、命とは何かを問いかける絵本の創作秘話や作品に込めた思いを語った。

 草場さんは、2000年代前半に西鉄バスジャック事件など子どもが犯罪の被害者や加害者になる事件が相次いだことに心を痛め、命の大切さを伝えるために絵本を自費出版した経緯を紹介。「当時、なぜ命が大切なのかを説明できない人もいた」と話し、「私たちは奇跡的に、先祖が誰一人として欠けなかった『命のバトン』を持っている」と来場者に語りかけた。

 絵本を朗読したフリーアナウンサーの副田ひろみさんは、息子を交通事故で亡くした経験から「日常が当たり前ではなかったと気づいた」と話した。合唱作曲家の弓削田健介さんは絵本や講演の内容に合わせてピアノを伴奏し、自身の楽曲「いのちのまつり」などを歌った。

 イベントは地球市民の会(佐賀市)が設立40周年事業として開き、約500人が来場した。(上田遊知)