昭和自動車(唐津市)は、唐津地区の呼子、大島方面など20路線を再編したダイヤ改正を4月1日に実施する。運転手不足や労働規制強化の「2024年問題」に対応するため、バス運行の効率化を進める。経路やダイヤ変更に伴い唐津市大島地区、肥前地区、東松浦郡玄海町の一部のバス停を廃止、乗り合いタクシーなどで代替する。
4月から運転手の拘束時間や連続の運転時間、休息期間に関する規制が強化される。路線が長距離になるほど、運転手の途中交代ができないため維持が困難になる。同社の担当者は「対応できる増員がなければ、維持は到底不可能」と路線再編への理解を求める。
現行路線で重複している部分や利用の少ない区間は、統合や路線変更を行う。需要に応じて土日祝日の減便や廃止、最終便の時刻を繰り上げる路線もある。
代替手段のある地域や、乗客が月数人など利用低迷の25カ所のバス停を廃止する。肥前地区13カ所では、同社の予約制乗り合いタクシー「チョイソコからつ」が運行。玄海町の6カ所では町民対象のコミュニティーバスの運行時間を乗り継ぎしやすい時間帯に見直す。
一方で、住民の要望を受けて湊町にバス停を新設、通学などへの影響は最小限にしているという。路線に番号も設定する。
唐津市と玄海町が2022年3月に策定した「唐津地域公共交通計画」を基に再編した。少子高齢化に伴う住民ニーズの変化に対応し、持続可能な公共交通を構築する計画で、路線再編の住民説明会も開いた。
神集島の岩本敏宏さん(78)は「今後、玄海町方面へ行く際は知り合いの車に乗せてもらうと思う。人口減少で利用が少ない路線、バス停がなくなるのは致し方ない」と話した。(小島発樹、横田千晶)