佐賀を拠点に活動するアルモニア管弦楽団(瀬戸要代表)がこのほど、県内の小学生と家族約800人を招待してコンサートを開いた。迫力あるオーケストラの生演奏やバレエとの共演、指揮や楽器の体験で子どもたちに音楽の魅力を伝えた。
子どもたちに音楽との出合いを提供し、裾野拡大につなげようと佐賀市文化会館で初めて開いた。同市の「のむらバレエアカデミー」をゲストにチャイコフスキーの「くるみ割り人形」で楽しませ、唐津市のソプラノ歌手出口未来さんらをソリストに迎えた演奏も披露した。子どもたちはリズムに合わせて体を揺らし、指揮や演奏のまねをしてステージに没入していた。
体験ではブラームスの「ハンガリー舞曲第5番」で小学生がタクトを振って楽団を指揮し、バイオリンやトランペットなど約10種の楽器で団員が演奏を指導した。堂々とした指揮ぶりを見せた男児は「将来はベートーベンのような曲をつくりたい」と目を輝かせた。
楽団の久原興民音楽監督は「子どもはみんな感受性豊か。それを呼び出せたら大成功」と笑顔を見せ、瀬戸代表は「いつか一緒にステージに立てたらうれしい」と話していた。
同コンサートは県の文化芸術祭「LiveS Beyond(ライブズビヨンド)2」の採択を受けて実施した。7月に開く定期演奏会でも小学生を招待する予定。(花木芙美)