学校では、男子と女子の集まりに別れて壁(かべ)ができたり、意見が分かれて対立したりするということがあるかもしれません。あまり良いことではないですが、自然とそうなることがあるものです。もちろん男子どうし、女子どうしの中でありますが、特に男子と女子の争いになる場合には、なぜそうなるのかを少し考えてみる必要があります。
特に小中学生くらいのときには、性別(せいべつ)によって身体や考え方の成長に差が大きい時期です。また、脳(のう)の特性(とくせい)にも男女に違(ちが)いがあるため、感じ方や好み、得意なこと苦手なことにも影響(えいきょう)します。男女には、身体のしくみによる違いがあるということを知っていてください。
その上で、性別は男女の2通りではないこと、性別に関係なくひとりひとりにも違いがあることも忘(わす)れてはいけません。なんとなく、男子ならこう、女子ならこう…という特ちょうはあるのですが、あくまでそういう人が多いというだけで全員がそうというわけではなく、男子だから、女子だからはこうでなくてはならないとか、こうであるはずだと決めつけることはできません。男子に意見の近い女子、女子に意見の近い男子だっているはずです。
男女は平等であり、性別の違いで差別されたり何かを決めつけられたりしてはいけません。これは、性別だけでなく、ひとりひとりに違いがあるからこそ、大切にしなくてはならないルールです。男女対立がおこったときには、どういう考え方の違いがあるのかを知るために両方の意見をよく聴(き)いてみましょう。
(浄土真宗本願寺派僧侶、日本思春期学会理事 古川潤哉)