地域の安全・安心のため、日々活動している消防団。県内20市町で活躍する若手団員に、入団のきっかけややりがいなどをお聞きします。今回は 大町町消防団第2分団第5部 宇田津要人さん(32)です。

佐賀大雨で避難遅れた住民救助

大町町消防団第2分団第5部 宇田津 要人さん(32)

 消防団に入ったのは、コロナ禍の2020年です。勤務先の先輩から誘われました。元高校球児で、体格の良さを買われたようです。それまで、消防団とは縁が薄く、どういった活動をするのか知りませんでしたが、「地域のためなら」と二つ返事で入団を了承しました。 入った当初は、コロナ禍の影響で本格的な訓練はありません。しかし、21年8月の「佐賀大雨」の際、中心街を通る国道34号で、首のあたりまで浸水した現場で活動する機会があり、そのとき、消防団活動が地域にとって「必要不可欠な存在」との認識を新たにしましたね。

 その日は盆休みで、早朝に出動要請があり、逃げ遅れた住民の救援要請がありました。格納庫にあるボートを持参し、町の中心街に赴きました。すでにくるぶしあたりまで浸水し、後は分刻みの増水です。住民をボートに乗せて避難先まで何回も往復しました。

 当時、被災現場に対応できる組織は消防団以外ありませんでした。私にとって住民救助は生まれて初めての経験です。お年寄りや子どもから「助けてくれてありがとう」と感謝され

たとき、心から消防団活動のやりがいを感じました。

今年の夏季訓練で各分団が集結

溶接の仕事にやりがい

野球大会でヒットを放つ宇田津さん(本人提供)

 仕事は船舶・海洋部品、産業機械用部品を製造する武雄市内の工場に勤めています。溶接の技術職なので、自分の思い通りにいった製品が完成したときは、やりがいを感じますね。

 野球は6歳のころから始めました。今も野球とソフトボールのそれぞれのチームに所属し、レギュラー選手としてがんばっています。目標は県大会で優勝したいですね。