メタバースを活用して重度障害児・者の社会参加を促すシステムの開発について報告した西九州大の植田友貴准教授=県庁

 佐賀県と西九州大の連携調整会議が6日、県庁であった。県と県内の高等教育機関が連携して地域の課題解決に取り組む「TSUNAGIプロジェクト」の一環で、県が本年度から研究費を支援している3件の研究について大学側が中間報告をした。

 リハビリテーション学部の植田友貴准教授は、インターネット上の仮想空間「メタバース」を活用した重度障害児・者の地域交流と就労支援に向けたシステム開発の現状を説明した。「メタバース上では障害の有無に関係なく交流できるのではないか」と述べ、体の一部を数ミリ動かせれば操作ができる入力機器や、開発中のメタバース内で参加者との交流ができることなども挙げた。

 健康栄養学部の栁田晃良特任教授は、県内に自生するアオモジの葉に糖尿病予防や肥満抑制などの可能性があるとし、食品開発に向けて外部機関や企業との連携を進める考えを示した。健康福祉学部の加藤稔子准教授は、県内のヤングケアラーに対する支援の実態調査をしていることを紹介した。

 プロジェクトは2021年度に始まり、佐賀大は同年度から、西九州大は23年度から参加する。学内公募から県が採択した研究と、県提案の研究があり、23年度は新規13件、継続13件に県が計約7400万円を支出する。(円田浩二)