玄海原発事故時の避難計画について、能登半島地震を受けた伊万里市の考えを説明する深浦弘信市長=市役所

 九州電力玄海原発(玄海町)から30キロ圏にある伊万里市の深浦弘信市長は5日、能登半島地震を受けた原発事故時の避難計画の見直しの必要性について、「このような災害が起きれば当然、国などで検証し、課題があれば関係自治体で話し合うべきだと思う」と述べた。定例会見での質問に答えた。

 能登半島地震では、北陸電力志賀原発(石川県志賀町)の事故を想定した避難道路が各地で寸断された。住宅倒壊が相次いで屋内退避も難しくなる課題も浮き彫りになり、地震との複合災害の際に従来の避難計画が機能するのかを問う声が上がっている。

 深浦市長は、玄海原発との位置関係や、30キロ圏外への避難ルートの数などを考えると、複合災害時に伊万里市から圏外に逃げられなくなる可能性は低いとの認識を示した。その上で「今回の災害の分析と避難についての検証をしながら、市として必要なものについては国や県に要望し、唐津市や玄海町とも協議していきたい」とした。(青木宏文)